ブラック企業で働き続けることは、心身への影響だけではない。ほかにも大きな問題がある。

ブラック企業で働き続けることの問題(2) 無価値なキャリア形成

ブラック企業で働き続けることは、キャリア形成にも決してプラスとは言えない。

ブラック企業での業務内容は、高度なスキルが必要なものは多くない。人材が頻繁に入れ替わるのだから、難しい仕事をさせることができないからだ。

高度で専門的なスキルを計画的に習得させるのではなく、行き当たりばったりに業務を与えられるので、まとまった専門スキルが身につくこともない。確かに初めのうちは、知らないことについて勉強が必要なこともあるだろうが、一定期間が経てば、同じような業務の連続である。ブラック企業は、人員不足や経営資源の無駄などが多く、過重労働を強いられるため、忙しさも変わらない。

このような状況では同じような作業をこなしているだけであり、キャリア形成にはつながらない。忙しいけれど自分がやっていることに意味があるのかよくわからない、という心境になっていないだろうか。

それだけでも十分にストレスを感じることであるが、さらに年齢の問題がある。

日本の転職市場では、事実上の年齢制限があると言われている。同じスキル・経験であれば、年齢が若い方が有利になるのだ。したがって、難易度が低い仕事を大量にこなして年齢を重ねても、価値あるキャリアとはなりにくい。

転職しようと思っても、過酷な労働環境で仕事をしていたという、根性しかアピールすることがなくなる。そのアピールを好む企業があったとしても、同じような体質の企業であることが多く、転職した先もブラック企業、ということにもなりかねないのである。

ブラック企業での在籍が長くなることは、キャリアの無駄を積み重ねることになるのだ。

ブラック企業で働き続けることの問題(3) ブラック企業の存続に力を貸すことになる

もうひとつの重要な問題がある。それはブラック企業の存続に力を貸すことになることである。

労働力を提供し続けることが、その企業の存続につながっているという意味である。仕方なく働いているという面もあるだろうが、結果的にその企業が生き残ることに力を貸してしまっているのである。

また、ブラックな働き方は、あとから入ってきた後輩社員に対しても連鎖的に悪い影響を与えてしまう。あなたの無理を働き方を後輩は真似するかもしれないし、後輩にもあなたと同じように働くことを上司が求めてきたりもする。あなた自身がそんな連鎖に加担する、ブラック企業の立派な構成員になってしまうのである。